『O』…「orange」
『O』…ORANGE / オレンジ
o///「orange」
オレンジと聞いて思い出すのが、決まって「バヤリースオレンジ」である。幼少の頃、祖母の家に遊びに行くと必ずと言っていいほど箱詰めであった。いつも人からいただくということであったが、果たして本当だったのかどうなのか、今となっては謎に包まれたままである。
基本的に甘ったるいものが好きではないあたしには、あのバヤリースはあり得ない存在であった。またよく薬を飲んでいたあの頃、決まってオレンジ色した粉薬はもっと嫌いだった。だからあたしは一番嫌いな色がオレンジで、みかんも好きではなかった。唯一好きな柑橘系は、グレープフルーツ。これのみ。そして小学校に入学する際、新しく24色色鉛筆を買ってもらった。すごく嬉しかった…が、やはり橙色を削る機会はなかった。
そんなあたしが、大学で愛媛に移った。「水道ひねると、ポンジュースが出てくる」なんて言われているらしいが、みかんに一切興味を持たず育ったあたしは、ばかばかしいと思った。そして、みかん色した街に住むのもまた、苦痛だと感じた。
そんなあたしとオレンジ。いつまで経っても平行線のように感じたが、ついに交わる時がきた。それは、今でもどの時点だったと特定することは難しいが、愛媛に慣れ、部活で文旦をもらい、みかんをいただき…そして、学年グラコンのモチーフは「みかんちゃん」。おそらく知らず知らずのうちに愛着を覚え、ポンジュースが好きになり、オレンジ色した綺麗な夕日を双海でみることで、オレンジというものに対して抵抗がなくなっていったのだろう。
夕焼けより朝焼けが好き。だけど、夕焼け過ぎて、暗闇が襲い始めるほんのわずかな時間。青い空と何とも言えないオレンジが西の空に広がる。そして街並みを見渡すとポツリポツリ電灯が灯る。車のヘッドライトもみなつけ始める。あの時間帯に広がるオレンジが一番好きだ。朝焼けよりも、むしろあのわずかな時間が大好きで、特にハイウェイを乗っていると、とても感慨深いものがある。
日々オレンジに対して愛着心が湧いてきた。愛媛を離れ、今は元いた関西へ。たまにポンジュースを飲む。ブラッドオレンジジュースなんて大好きな飲み物だし、カクテル一杯目は必ず「ファジーネーブル」から入る。オレンジとあたしが完全にミックスジュース。
色の中で一番オレンジが好きとは言えないが、今、色鉛筆を買ったのなら、橙色もまた他の色と同様に削り、短くなってゆくだろう。しかし、未だにバヤリースオレンジだけは飲めないのであるが。
2006.10.15.
